私たちは、「昔からそう言われている」「数字が示している」「科学的らしい」という言葉に、思った以上に弱いのです。

「コーラを飲むと歯が溶ける」
「万里の長城は月から見える」
「平均年収より下の人が六割いるのは、統計のごまかしだ」

どれか一つでも、もっともらしいと思ったのであれば、安心してください。大抵の人がそうです。 俗説は、完全な嘘より少しだけ本当らしい顔をしてやって来る。だから記憶に残る。だから人に話したくなります。

本記事では、子どもの頃に刷り込まれた話、歴史ドラマが育てた話、もっともらしい数字が作った話を、一つずつひっくり返していきます。 ただし目的は「正解を覚えること」ではなく、俗説が、どうしてこんなに気持ちよく信じられるのかを紐解くことです。

そして最後には、あの便利な「80対20」にも触れます。少数だけが価値を生み、残りは背景にすぎない――そんな冷たい世界観は、本当に数字が命じたものなのか。それとも、誰かが他人を雑に扱うために数字という鑿を被った詭弁なのか。

さて、あなたが信じてきた話は、いくつ残るでしょうか。